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番外編 かなたのおうちは
橘ヘルプ!橘!彼の慌てた声が聞こえてきた。
「ほら噂をすればなんとやらです」
「普通は未知なんだけどね」
「普通はね」
紗智さんと那和さんが顔を見合わせるとぷぷっと吹き出した。
僕より橘さんの方が頼りになるもの。それが事実なんだもの。いちいち目くじらを立ててもしょうがない。役には立たないけど、邪魔にならないよう子どもたちの様子を見に行こうとしたら、
「未知さん、光希さんが折り入って話しがあるそうですよ」
橘さんに引き留められた。
「あ、でも……」
陽葵がおっぱいを欲しがって泣いているかも知れない。
太惺と心望は眠りが浅いから、オムツが濡れて気持ち悪くて泣いているかも知れない。
「こういうときでもないと、話す機会はありませんよ。次にいつチャンスが巡って来るか分かりませんし、手に負えないときは呼びに来ます」
紗智さんと那和さんを連れ寝室へと急いで向かった。
いざ二人きりになり、緊張のあまり両手を握り合わせ、エヘヘと愛想笑いをすると、
「そんなに緊張しなくてもいいのに」
光希さんに困ったようにくすくすと笑われてしまった。
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