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番外編 かなたのおうちは

「でね未知、柚を説得して欲しい」 光希さんの表情が引き締まった。 「あの、話しが全然見えないんですけど……」 「未知はスピリチュアルカウンセラーのシェドという男を知ってる?」 「スピリチュアル……カウンセラー?」 そんな職業があるなんてはじめて知った。首を横に振ると、 「俺もよく分からないんだけど占い師みたいなそんな感じ。最近、テレビや雑誌に頻繁に出ているいかにも胡散臭い米国籍の金髪ハーフ男。奇跡の美青年とか、神が使わし神童とか、シェドの熱狂的な女性ファンがキャーキャー騒いでいる。あとで検索してみたらいい。柚はそのシェドど頻繁に連絡を取り合っている。怪しんだ遼が千里の手を借りてひそかに調べたら、米国籍なんて真っ赤な嘘、生まれも育ちも東京の下町。生粋の日本人だった。経歴もでたらめだった。柚は騙されている。信孝が何度も説得したけど聞く耳すら持ってくれない。未知の話しなら聞いてくれるんじゃないか、そう思って」 「一央さんはこのこと?」 「知ってる。心配する一央の忠告も無視した。だから、夫婦に深い溝が出来た。他人が口を挟むことじゃないのは分かってる。でも柚は縣家の娘だから、遼と信孝の妹で龍の姉だから、黙って見ていられない」 「未知さん、こういうときは人生経験豊富な茨木さんや渡会さんや紫さんの力を借りたらどうですか?」 ぐずって泣く陽葵をあやしながら橘さんが戻ってきた。

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