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番外編 シェドという謎の男

翌日のお昼前。 組事務所に向かうと、 「スビュ……なんだっけ?」 「スピュリアルカウンセラーだ」 「あぁ、そうだった。どうも流行りに疎くてな」 「俺もだ」 「お互い年は取りたくないな」 お祖父ちゃんと渡会さんはソファーに並んで座り談笑していた。 紫さんはほうきを片手に若い衆にてきぱきと指示を出していた。 幸ちゃんは足をぶらぶらさせて、オレンジジュースを美味しそうに飲んでいた。 うちに泊まったまま、あれから柚さんのところには帰っていない。 柚さんが体調が悪くて寝込んでいるとかで、渡会さんと紫さんに付き添ってもらいこれから保育園の見学に向かう予定になっている。 「あのお祖父ちゃん、そのスピュリアルカウンセラーって何ですか?光希さんから占い師みたいなものだって教えてもらいました。検索してみたけどいまいち分からなくて」 「霊能力を使ってカウンセリングする仕事だ。その人が本当に霊能力を持っていたとしても見える訳じゃないから、胡散臭いのやら、偽者も多いらしい。千里に聞いたら、シェドはヘブライ語で悪霊を意味するらしい。で、紗智たちに聞いたんだ。悪霊って中国語でなんて言うんだって。モーグイだと教えてもらった。それを聞いていた亜優の顔色が変わったんだ」

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