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番外編シェドという謎の男
「幸が元気になるように飯を食いに行くか」
会長無理しないで下さいよ。心配しておろおろする若い衆に、年寄り扱いするなと笑いながら渡会さんが幸ちゃんを抱き上げてくれた。
「俺もか?」
じぃーと幸ちゃんに見つめられたのはお祖父ちゃんと、根岸さん、伊澤さんだった。
一緒がいいの。
一緒に行こう。
目をうるうると潤ませる幸ちゃん。無下に断ったら泣かれるのは必死。
車2台に分かれて仲良くお昼ごはんを食べに向かった。
でもすぐに根岸さんが戻ってきた。
「すっかり言い忘れていた。亜優はバーバとマーと光希と一緒に玲士《リン シー》待つんだ。いいな?」
不安そうな眼差しで亜優さんが首を横に振った。
「もし亜優に不埒な真似をしようとしたらこの俺が許さない。だから、安心して」
「光希の言う通りだ」
その不安を一掃するようににこっと微笑みかけると頭をぽんぽんと撫でた。
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