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番外編 シェドという謎の男
あちぃ。思ったより熱かったみたいで、ふぅふぅと冷ましていたら、亜優さんが身を乗り出し一緒になって冷ましてくれた。
それを見た太惺と心望も、ふたりの真似をしてふぅふぅとご飯を冷ましはじめた。
「ん?どうしたの?」
太惺が紗智さんの、心望が那和さんの袖をそれぞれ掴むとつんつんと引っ張った
「ふたりのご飯は冷めてるのに。一緒に冷ましてって言ってるのかな?もう可愛いから許す」
紗智さんと那和さんまでふぅふぅと冷ましはじめた。
これには橘さんも笑うしかなかった。
そうこうしているうち、光希さんが玲士さんともうひとり連れてきた。
「は?」
誰も彼が来るなんて聞いていなかったのだろう。
みんな腰を抜かすくらいびっくりして、彼なんかしばらくの間固まっていた。
「未知、元気そうで良かった。たいくんにここちゃんも久し振りだな。見ないうちにおっきくなったな。あ、これ、俺と那奈からの出産祝いだ」
ご祝儀袋をぽんと渡された。
「なんでお前がいるんだ?この大変なときに家を空けてどうすんだ」
「先代と若頭と、それに龍成が留守番をしてくれているから大丈夫だ。それともあれか?可愛い妹と甥と姪を俺に会わせないつもりか?」
「な訳ねぇだろう」
そう玲士さんと一緒に現れたのは裕貴さん。僕の大切なお兄さんで、子供たちにとっても大切なおじちゃんだ。
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