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番外編 シェドという謎の男

「地竜なんて?」 「調べてみるから女の写真を送ってくれって」 「あとは?」 「ないよ」 「本当に?」 疑いの眼差しで顔を覗き込まれた。 スマホを握り締めたまま、慌てて首だけ横に振った。 【我陪你】 【你是我最爱的人】 読み方も意味もちんぷんかんぷん。 全然分からないけど、嫌な予感がしてならなかった。こういう時は触らぬ神に祟りなし。メールを消去しようとしたら、 「マー貸して」 「那和さん待って」 スイとスマホを持っていかれた。 「えっと、なになに。我陪你《ウォ ペイ ニー》你是我最爱的人《ニー シー ウォ ズイ アイ デァ レン》」 「意味は?」 彼の眉間にどんどん皺が寄っていく。 「私はあなたのそばにいるよ。あなたは私が一番愛する人です。マー、地竜に愛されてるね」 恐る恐るそっと彼の顔を見上げた。 「あのルックスだ。普通に考えたらモテモテじゃねぇか。世の女性たちも男性たちも黙ってないだろう。それなのに……バカ真面目というかなんというか」 「未知だけを一生涯愛する。浮わついた気持ちでは絶対に言えない台詞だ。遥琉や地竜にこんなにも愛される未知が羨ましいよ」 「みんなママLOVE、マーLOVE、姐さんLOVEだからな」 「それな」 彼と裕貴さんが目を見合せるなりクスクスと笑い出した。 亜優さんが何か言いたげそうな顔で、紗智さんと那和さんの袖を軽く引っ張った。

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