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番外編 シェドという謎の男

「地竜はたいしたもんだ。黒竜のアジトから子どもたちを助け出して、孤児院を作って面倒みて。生き残った子どもたちを一人残らず全員アメリカに連れていったんだから。誰にでも出来ることじゃない」 「こんな俺でも愛してくれる人たちに巡り会うことが出来たから。遠く離れた日本で、帰りを待ってくれている家族がいるから頑張れる。優医生よく言っていたって」 「そうか」 紗智さんの通訳に耳を傾ける彼。 「世の中には悪の人格ダークトライアドというものがあるそうですよ。ナルシスト、サイコパス、マキュベリズムの性格特性を持つ方々のことらしいです。さらにヤバイのがサディズムをプラスしたダークテトラッドと呼ばれる方みたいです。紫竜がそうじゃないかと。亜優さんが病院で出会った義足の医生はナルシストでサイコパスみたいです。麻酔を使わず手術を行い、痛みに泣き叫ぶ患者をそれは楽しそうに見ていたそうです。血を見るのが好きで、吸血鬼《シーシエグイ》と呼ばれ恐れられていたそうです」 「ある意味、変態ばっかじゃねぇか」 「まぁ、そうですね」 「類は類を呼ぶってまさにその通りだな」 どこかに手がかりがあるかも知れない。パソコンの画面をじっと見つめた。

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