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番外編 シェドという謎の男
ーそういえば知り合いの刑事が、運気や金運がアップするセミナーに参加したけど効果がない。騙された、被害を訴えてくる若い女性が、ここ一か月の間に急激に増えたって言ってたわ。セミナーを隠れ蓑に違法薬物の売買が行われているってタレコミもあったしー
「チカくれぐれも無理するなよ。何があっても国井を一人にするなよ」
ー分かってるって。心配してくれてありがとうハルくん。それより、未知いる?ー
「あぁ」
ー未知の声、聞きたいなぁ~~聞きたい!ー
「仕事中だろ」
ーちょうど休憩に入ったもんー
「分かったよ。少し待ってろ」
彼がすっと立ち上がり、陽葵をだっこしている僕の近くでスピーカーに切り換えてくれた。
ー未知、元気してる?ー
「はいお陰さまで。チカさんは?」
ーダーリンに会えないから寂しいけど、元気よ。陽葵ちゃんは?ー
「熟睡してます。昼夜逆転してて、日中はほとんど寝てます。一太たちが帰ってくると、にこにこして目を覚ますんです」
ー小さいうちはしょうがないわよ。たいくんとここちゃんは元気?歩くの、上手になったでしょうねー
「はい」
ー今抱えている案件が終わったら有給休暇をとる予定なの。遊びに行ってもいいかしら?ー
「勿論です」
ーやぁ~ん、もぅ。嬉しいー
チカちゃんの甲高い声に驚いたのか、陽葵がびくっと体を震わせ目を覚ました。
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