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番外編 待ちに待った運動会
泣きながら必死にバーバとマーを追い掛けるたいくんにここちゃん。なんか可愛いんだけど。那和さんと紗智さんがふたりを抱き上げてくれて、頭を撫でてあやしてくれた。
奏音くんの髪をドライヤーで乾かしていた光希さんに、
「相変わらずラブラブだね。ご馳走さま」
と言われた彼。
「結婚して何年経過しても、何人子どもが産まれても、気持ちは新婚の時となんら変わってない。むしろ、未知が好きすぎて困るくらいだ」
聞いている方が恥ずかしくなるような台詞をさらりと言われ、頬が熱くなった。
「橘、悪いがメシを頼む」
「一太くんと奏音くんもご飯まだなんです。光希さんもですよね?」
「はい。食べに来たようでごめんなさい」
「一人で食べるよりみんなで食べる方が楽しいですからね」
光希さんに置いてかれたと思い込み、あれほどしょんぼりしていた奏音くん。笑顔がようやく戻った。
「一太くん、奏音のこと心配してくれてありがとう。一緒に待っててくれてありがとう。ごめんね。お腹空いたよね?」
「ううん、だいじょうぶだよ」
濡れた遥香の髪をタオルで拭いていた一太が首を横に振った。
僕、お兄ちゃんだから。が最近の一太の口癖。お風呂から上がるなり裸のまま逃げてくる妹や弟たちを捕まえて、体を拭いたり、髪を乾かしたり、着替えを手伝ったりと、面倒をよくみてくれる。今日はプラス2だから、いつもより大変だっと思う。でも当の本人は、さほど苦にしていないのかあっけらかんとしていた。
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