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番外編 待ちに待った運動会

「行ってきます」 ナオさん親子を迎えるため早朝から引っ越し作業に追われているお祖父ちゃんや若い衆たちに笑顔で手を振りながら一太と奏音くんは、彼と裕貴さんと光希さんたちと一緒に元気いっぱい登校していった。 「朝御飯だよ」 紗智さんと那和さんと亜優さんが手分けして山のようなお握りを運んでくれた。ウーさんは飲み物担当で、遥香は紙コップを持ってくる担当。 「ハルちゃん、幼稚園これからか?」 「うん」笑顔を振り撒きながらウーさんに紙コップに注いでもらったお茶を配って歩く遥香。その愛らしい姿にみんなたちまち笑顔になった。 「じぃちゃん、ハルちゃんのおみおくり」 「忘れる訳ないだろう。ちゃんと覚えてるよ」 遥香から幼稚園の送迎担当を頼まれたお祖父ちゃん。二つ返事で引き受けてくれた。 「出掛けるとき、じぃちゃん行くよって呼んでくれ」 「うん。わかった」 にこにこと笑いながら返事すると、紗智さんたちに手伝い今度はお握りを配り始めた。 「未知、遥琉から聞いたか?」 「何をですか?」 「紫が柚からスマホを取りあげたって話だよ。保育園に入るのに度会たちが新しいリュックを幸に買ってやったらしい。そしたら柚が、その色は運気が下がると騒いで、リュックを幸から取り上げごみに捨てたらしい。大泣きする幸には目もくれずスマホで喋っていて、紫の堪忍袋の緒が切れた。柚のスマホは信孝が預かってる。通話記録やSNSの履歴から夢華らの尻尾を掴めるといいんだがな」 お祖父ちゃんが紙コップのお茶を一気に飲みほした。

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