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番外編 待ちに待った運動会
引っ越し作業は紫さんと、フーさんウーさんら力自慢の若い衆にお願いして、彼とお祖父ちゃんと裕貴さんと鞠家さんらが集まり、小難しい表情で膝を付き合わせ話し合いをはじめていた。
「子供たちは午後1時下校だ。お茶会も1時から駅前にあるコンベンションホテルで開かれる」
11時に更新されたばかりの夢華さんのプログには豪華なアフタヌーンティーを楽しみながら至福のひとときを過ごしましょう。福島の皆さん、お会い出来るのが楽しみです。と書かれてあった。
「2時間のケーキバイキングと飲み放題が付いて、それにアロマテラピーだっけ?よく分からないが、それで参加費無料だ。絶対に怪しいと思わないか?」
「いかにも胡散臭い」
「柚は今日のお茶会の幹事を任せられているみたいだ」
柚さんは警戒心が強いのか、もしくはそう命令されているのか、着信履歴、メールの履歴はすべて削除されてあった。
「吉崎とハチが手分けして復元作業をしているが、もう少し時間が掛かるらしい」
「そうか」
舎弟たちに夢華さんらを見張らせていた千里さんから、夢華さんの他に女性が四人、男性が一人こっちに向かっていると連絡が入り、もう一人の芫かも知れないと緊張が走った。
度会さんからはまだ連絡がない。何事もなければいいけど。
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