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番外編 ゴメンね
太惺と心望がちょこちょこと目を覚ましてはなぜかぐすっていた。夜泣きはするけど一度寝たら朝まで起きないのに。交互にあやしていたら、橘さんが様子を見に来てくれた。
「体温はまだ測っていないんですけど、ふたりとも体がいつもより熱いような気がして。もしかしたら熱があるのかなって」
「ハルちゃんも一歳の頃、夜になるとしょっちゅう熱を出していましたよね」
橘さんが太惺と心望の額にそっと手を当てた。
「ふたりともぐったりしている訳ではないので朝になるまで様子を見ましょうか」
「はい」
「あと一時間もしたらひまちゃんも目を覚まします。少し寝てください。あとは私に任せてください」
「そういう訳にはいきません。橘さんだって早起きしてお弁当を作らなきゃならないんだし、大丈夫です。遥琉さん、そろそろ戻ってくると思うので」
「話し合いは当分終わりそうもないですよ。問題が山積みで、しかしまぁ、次から次にいろいろありますね。三時間くらい仮眠してから運動会に行くようだなって皆さん話してましたよ。未知さんは寝てください。ここちゃんは私が面倒みますから。柚原さんもいますし、那和さんもいますから大丈夫ですよ」
橘さんが目を擦りながらグズる心望を僕の腕からそっと抱き上げてくれた。
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