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番外編 ゴメンね
「さっきまで怖くて泣いていたのに。裕貴さんに感謝ですね」
「はい」
橘さんと話しをしていたら、ピンポン、ピンポンと呼び鈴が鳴った。
「誰でしょうね。見てきます」
橘さんがすっと立ち上がり玄関に向かった。
それから数分後。
「未知~~会いたかったよ~~」
チカちゃんが居間に駆け込んできて、ぎゅっーと抱き締められた。
「チカ、たいくんとここちゃんが熱を出して寝ているんだ。静かにしてあげないと。未知おはよう」
国井さんが慌てて追い掛けてきた。
「卯月……なんで福島にいるんだ?」
お兄ちゃんがいてふたりとも驚いていた。
「やけに静かなんだけど、あれ?子どもたちは?」
キョロキョロとあたりを見回した。
「今日は小学校の運動会です」
「運動会?あら、アタシったら、ハルくんから言われてたのにすっかり忘れてた。家族総出で応援に?」
「えぇ。一太くんと奏音くんにとっては初めての運動会ですからね。それに、めぐみちゃんと優輝くんが寂しくないようにみんなで応援に行くことにしました。あ、でも、私と未知さん、たいくんとここちゃんとひまちゃん、幸ちゃんはお留守番です」
「警備が手薄の気がするんだけど、大丈夫?」
「未知さん専用の弾よけと幹部が数人留守番部隊として残りますから大丈夫です」
「そっか。ハルくんより強い橘もいるし、鬼に金棒だね」
クスっとチカちゃんが笑った。
「熱って、大丈夫なの?」
「子どもはしょっちゅう熱を出すものです。多少熱があってもけろっとしているものです。ついさっきまでお姉ちゃんたちに遊んでもらってはしゃいでいたんですよ」
「そうなんだ。それなら良かった」
チカちゃんが胸を撫で下ろした。
「国井、チカ、話しが違う。説明しろ」
彼が声を荒げ、怒り心頭の様子で戻ってきた。
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