太惺と心望が指をくわえて、ちらちらとお姉ちゃんたちのご飯を羨ましそうにじーと眺めていた。 ｢ちゅるちゅるは風邪が治ったらままたんに作ってもらおうね」 ｢たいくんと、ここちゃんは、栄養たっぷり。ままたん特製のかぼちゃのミルクのお粥を食べて、早く元気になろうね」 ｢美味しいよこれ」 紗智さんがにっこり笑ってお粥を一口食べた。俺も食べたいと橘さんにリクエストして多めに作ってもらった。美味しそうに食べる紗智さんと那和さんをしばらく観察していた太惺と心望。スプーンを手でむんずと持つとようやく一口、二口と食べてくれた。 ｢ねぇ橘、今度、チカにもお粥の作り方を教えて。ダーリンが具合が悪いとき、作ってあげたいの」 ｢チカ、このラーメンの麺も橘の手作りなんだぞ」 ｢え？そうなの？」 ｢奏音が小麦粉アレルギーを持っているから、米粉で作ることもある。光希に教えているところだ」 ｢へぇ～～」 鞠家さんの話しに興味津々、耳を傾けるチカちゃん。すると、ゴホン、わざとわらしい咳払いが聞こえてきた。 ｢やぁん、もぅ、アタシ愛されてる～～」 恥ずかしそうに頬を赤らめ甲高い声をあげるチカちゃん。 あ、そういえば……ふと、あることを思い出した。 ｢チカさん、結婚式まだですよね？」 ｢そうだけど。急に聞くからびっくりした」 ｢ごめんなさい」 ｢まだまだ先なんだが、１０月に結婚式を挙げるカップルが二組いるんだ。チカたちも一緒にどうだって姐さんなりに気を遣ってくれているんだよ」 鞠家さんがムスッとしながらも然り気無くフォローしてくれた。