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番外編 龍ぱぱ
「ごめん。すまない。決して悪気があった訳じゃない。信兄と柚と兄弟で今後のことを話し合うために福島に来た。光希と奏音の邪魔をする気は一ミリたりとしてない」
一切言い訳せず釈明する龍成さんに、肩透かしを食らった橘さん。
「まぁ、そう事情なら仕方がありませんね」
怒る気が失せたのか台所に戻ろうとした。でも……。
「今日の主役は奏音くんです。息子より目立ってどうするんですか?イチャイチャし過ぎですよ」
スマホを操作し5、6年生かな?体の大きい児童が校庭を走る模様を映した動画を龍成さんに見せた。
そこには人目を憚ることなく光希さんに膝枕して甘える姿や、キス寸前まで顔を近付ける姿が映し出されていた。
まわりにいた保護者、児童がドン引きして、顔をひきつらせていた。
目のやり場に困るとはまさにこのことだ。
「俺たちの可愛い息子になる奏音をイジメて喜んでいるガキたちとその親に、家庭円満なところを見せ付けてやろうって、そう思ったんだよ。だって暴れる訳にはいかねぇだろう。奏音が学校に行けなくなるからな」
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