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番外編 ジェネレーションギャップ
『そっちにある楮山組の二次団体と、三次団体の組にも明日の朝、サツがガサ入れに入るわ。何をしでかすか分からないから、くれぐれも用心してね』
「分かった。千里、貴重な情報をありがとうな。光希に事情を説明して明日の予定をキャンセルさせる」
彼にスマホをぽんと渡された。
「げっぷは任せておけ」
「ありがとう遥琉さん。じゃあ、お願いします」
彼に陽葵をそっと渡し、急いで服を直し電話に出た。
『未知、ちゃんとしまった?』
「はい」
『悪戯が大好きで、すぐ悪さする、不埒な手、伸びてきてない?』
「大丈夫……」
何気に下を見ると大きな手がパジャマの中にそろりそろりと忍び込むところだった。
まるで見ているかのような千里さんの鋭い指摘に憮然としながらもすっと手を引っ込めると、陽葵の頭を手で支え、縦に抱っこし、慣れた手付きでげっぷをさせてくれた。
『消息筋から得た情報だと、黒竜の幹部が一連の事件を主導した。新たな標的 に誰が選ばれるか。全く予想すらつかないわ。未知は人がいいから、困っている人がいれば助けようとするでしょう。当分の間、我慢よ。若い衆に代わりに行かせるのよ。安易に人を信じちゃだめよ。中坊や子どもだからといってすぐに信用しちゃダメよ。疑いの目を常に持つのよ。いい、分かった?』
中坊とは中学生のことだ。彼が教えてくれた。
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