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番外編 我が子のためなら鬼にでも蛇にでもなれる

「どうした伊澤。浮かない顔をして」 「根岸から無事に宿に着いたって連絡があったんだが、チェックインの時、奏音が光希と根岸と離れたくない。同じ部屋がいいって急に言い出したらしい。となり同士で2部屋予約していたんだが、1部屋キャンセルして、三人で同じ部屋に泊まることにしたらいんだ。光希は俺とは違い、可愛いし、愛嬌もあるし、若いし……オヤジすまない。モヤモヤして、自分でもよく分からないんだ」 「心配しなくても根岸さんは伊澤さん一途ですよ。光希さんと奏音くんを寝ずの番で守ろうとしているんですよ。宿泊先は暴力団関係者お断りの旅館ですからね。身分を隠し、なるべく目立たないようにしないといけませんからね」 「その言葉を聞いて安心した。ありがとう橘」 「そうすると問題は光希の亭主か?」 「焼きもちを妬いてもし旅館に乗り込まれたら、それはそれで大変なことになります」 「とりあえず信孝に相談してみるか」 彼がすぐに信孝さんにメールを送信した。 ポケットに入れっぱなしにしていたスマホが振動したような気がして、取り出して確認していたら彼に声を掛けられた。 「どうした未知?」 「僕のところにもメールが送信されてきた」 「誰から?」 「地竜さんから」 「なんて?」 「物騒な事件が続いているみたいだが、大丈夫かって。柚原さんの勇姿、俺も見たかったって。柚原さんのエプロン姿しか見ていないって」 画面に書かれてある内容を彼に見せた。

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