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番外編 もやもや
「ひまちゃん、起きてたんだ。ごめんねママ全然気付かなかった」
手足を元気にパタパタと動かし、天井をじっーと見つめていた。
「お兄ちゃんたちもひまちゃんみたく、よく天井を見上げていたんだよ。口をモゴモゴと動かし、よくお喋りしていたんだよ。やっぱり兄弟だね」
お腹も空いていないみたいだし、オムツも濡れないからかな。陽葵はご機嫌だった。
「ママなにしてるんだろうね。パパと橘さんが仲がいいのはいつものことなのにね。パパと橘さんに焼きもちを妬くなんて。 ふたりのこと許したのに。ママどうかしてるよね」
陽葵の笑顔を見ているうち涙がどっと溢れてきた。
「マー」
紗智さんと那和さんの足音と声が聞こえてきて。
ドアの鍵を閉めるのをすっかり忘れていたことを思い出した。泣いている場合じゃない。みっともない顔をふたりに見せる訳にはいかない。手の甲でごしごしと拭った。
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