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番外編 雷ゴロゴロ
「楮山が未知さんの命を狙っている。ある情報屋から仕入れた情報だから信憑性は高い、千里からついさっき連絡がありました」
そこで言葉を止めると橘さんがくすっと笑った。
「紗智さんも那和さんもウーさんも亜優さんも。みなさん、幸せそうな寝顔ですね」
「シングルサイズの布団だから狭いし窮屈だと思うんだけどな」
「それがいいんですよ。みなさん、マーLOVEですからね」
一人ずつ布団を掛け直してくれた。
「楮山は、柚原さんのことを、昼行灯の腰抜け野郎と呼んで馬鹿にしているみたいです。私の愛する夫をよくそこまでこけにすることが出来ると思いながら聞いてましたが、ひまちゃんの1ヶ月検診が決行日じゃないかと。ですから、千里が腕の立つ強力な助っ人をこちらに寄越すそうです」
「ウーさんと仲良く出来るといいけど」
橘さんと目が合うなりぷぷっと小さな声で笑った。
「ウーさんは未知さんのことが大好きですからね、だから、仕事に関しては誰よりも厳しくなるんです」
「千里さんにありがとうって言わなきゃ」
「そうですね」
千里さんにメールをしようと枕元のスマホに手を伸ばしたら、着信音が鳴り出した。
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