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番外編 報復措置
「これが鳥飼の弟分たちだ。揃いも揃っていい面構えをしているだろう」
彼がこれが昔の鳥飼さんだといって写真を見せてくれた。昔といっても4年くらい前の写真だけど。
「この頃の鳥飼は九鬼総業も守らなきゃならねぇし、睦も守らなきゃならねぇし、弟分たちも食わせていかなきゃならねぇし、何もかもひとりで抱え込んでいた。真面目過ぎて誰かに頼るってことが出来なかったんだろうな。だから、鬼のようなおっかねぇツラしてるだろう」
「僕は今の鳥飼さんの方がいいな。そ、その、変な意味じゃないよ」
「分かってるよ。優しくなったもんな。目付きも顔付きも。フーの前だと砂糖菓子のように甘くなってデレデレになるんだ。見てて面白い」
彼が思い出し笑いを浮かべた。
「ラブラブだもんね」
「俺たちも負けないくらいラブラブにならねぇとな。未知が焼きもちを妬いてくれてスッゲぇー嬉しかった」
肩をそっと抱き寄せられ、唇にチュッと軽くキスをされた。
「本当にごめんな」
「僕の方こそごめんね」
お互い見つめ合っていたら、
「パパとママ、チューしてる!」
遥香のとっても元気な声が聞こえていた。
「ハルちゃん、じゃましちゃだめ。こういうときはみないふりだよ」
「えぇ~~!なんで、なんで」
「パパとママがけんかしてしゃべらないのと、なかよくわらって、チュッチュッしてるの、ハルちゃんはどっちがいい?」
「わらって、チュッチュッしているほう!」
「ね、だからじゃましちゃだめ。ほら、ようちえん行かないと」
「はぁ~い」
一太が遥香の手を握り連れていってくれた。
顔を真っ赤にし頭を抱えていた彼が、我慢出来ずにぷぷっとふきだした。
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