1761 / 4011

番外編 報復措置

「これが鳥飼の弟分たちだ。揃いも揃っていい面構えをしているだろう」 彼がこれが昔の鳥飼さんだといって写真を見せてくれた。昔といっても4年くらい前の写真だけど。 「この頃の鳥飼は九鬼総業も守らなきゃならねぇし、睦も守らなきゃならねぇし、弟分たちも食わせていかなきゃならねぇし、何もかもひとりで抱え込んでいた。真面目過ぎて誰かに頼るってことが出来なかったんだろうな。だから、鬼のようなおっかねぇツラしてるだろう」 「僕は今の鳥飼さんの方がいいな。そ、その、変な意味じゃないよ」 「分かってるよ。優しくなったもんな。目付きも顔付きも。フーの前だと砂糖菓子のように甘くなってデレデレになるんだ。見てて面白い」 彼が思い出し笑いを浮かべた。 「ラブラブだもんね」 「俺たちも負けないくらいラブラブにならねぇとな。未知が焼きもちを妬いてくれてスッゲぇー嬉しかった」 肩をそっと抱き寄せられ、唇にチュッと軽くキスをされた。 「本当にごめんな」 「僕の方こそごめんね」 お互い見つめ合っていたら、 「パパとママ、チューしてる!」 遥香のとっても元気な声が聞こえていた。 「ハルちゃん、じゃましちゃだめ。こういうときはみないふりだよ」 「えぇ~~!なんで、なんで」 「パパとママがけんかしてしゃべらないのと、なかよくわらって、チュッチュッしてるの、ハルちゃんはどっちがいい?」 「わらって、チュッチュッしているほう!」 「ね、だからじゃましちゃだめ。ほら、ようちえん行かないと」 「はぁ~い」 一太が遥香の手を握り連れていってくれた。 顔を真っ赤にし頭を抱えていた彼が、我慢出来ずにぷぷっとふきだした。

ともだちにシェアしよう!