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番外編 報復措置
「鷲崎のところに行儀見習いに出されて、うちに帰ってきてからだよ。龍が俺の匂いのするものを片っ端から集めはじめたのは。恥ずかしいから止めてくれって何度か頼んだけど、そう簡単には止められないみたい」
「そうなんだ」
「縣一家も菱沼組と一緒でイケメン揃いだから、遼も龍もすぐに焼きもちを妬くんだ。若い衆と挨拶をしているだけなのに遼か龍どっちかが必ずすっ飛んでくるんだ」
「光希さんも大変だ」
「そういう未知だって、まわりみんな焼きもち妬きばかりだから大変でしょう。ウー、亜優ありがとう」
宅急便で送る荷物を段ボールに詰めガムテープで封をしていたら、ウーさんと亜優さんが手伝いに来てくれた。
「亜優は玲士には勿体ないくらい可愛い。年も離れているし。すぐおっさんになるよ。本当に玲士でいいの?考え直すなら今だよ。といっても日本語通じないか」
「貯金を全部使ってペアの指輪を購入して、亜優さんにプレゼントしたって彼が言ってた」
「へぇ~玲士もなかなかやるね」
光希さんの視線が亜優さんの薬指へと向けられた。プラチナの指輪がキラキラと光り輝いていた。
「亜優もウーも、みんな素敵な伴侶に恵まれて良かった。改めて未知と遥琉の心の広さと優しさ、偉大さを感じた。俺なんかとうていふたりの足元には及ばない」
「僕はなにもしてない」
「謙遜しなくてもいいのに」
光希さんがクスクスと愉しげに笑った。
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