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番外編 千里さんが寄越してくれた協力な助っ人

奏音くんは泣かずに光希さんと龍成さんを笑顔で見送った。 「かなたが泣いたらママも泣くから、そしたら別れが辛くなるから泣かない。2ヶ月後にはまた会えるから泣かない。笑顔でバイバイする。光希と男の約束をしたらしい。奏音のヤツ、見ないうちにまた大人になったな」 しみじみと言うと感極まっていた。 エレベーターに乗り込むなり、龍成さんは光希さんに抱き付き、玲士さんらがいるにも関わらずキスをねだった。一階に到着しドアが開いてもそれに気付かず夢中になってキスをしていたら、根岸さんと伊澤さん夫婦に駅にいく前にラブホに行って一発抜いて来た方がいいんじゃねぇかって言われてふたりして顔を見合わせ真っ赤になっていたみたい。 まさか一階でそんなことになっているとは露知らず。千里さんが寄越してくれた協力な助っ人って一体誰なんだろう。その話題で持ちきりになっていた。 「いや、そんなまさか」 「ないとは言い切れない」 「姐さんの側にいることが一番の治療になる。そう言ってふらっと戻ってくるかもな」 彼と柚原さんと鞠家さんは弓削さんが戻ってくると予想していた。 「兄貴、大変だ!」 帰ったはずの龍成さんが慌てて戻ってきた。 「さっきエントランスで擦れ違って、まさかと思って三度、四度、思わずガン見したんだ。間違いなかった。彼だった」 「まずは落ち着け。橘、龍成に水を持ってきてくれ」 台所にいる橘さんに声を掛けると、お手伝いをしていた一太が水を持ってきてくれた。

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