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番外編 千里さんが寄越してくれた協力な助っ人

「見たかったな。未知が焼きもちを妬く姿。可愛かったって言われてもなぁ、実際見てないんだ。コメントのしようがない。なぁ橘、遥琉といちゃついてくれないか?未知が焼きもちを妬いて怒る顔が見てみたい」 スマホを掲げた。録画する気まんまんだ。 「そんなことをやっている暇があるなら組事務所で手荒い歓迎を受けている青空さんを助けに行ってあげたらどうですか?」 橘さんの額にどんどん皺が寄っていった。 「龍成さん、光希さんをいつまで待たせる気ですか?」 「あぁ、そうだった。あと10分で新幹線が出発する。ヤバい」 龍成さんが慌てて駆け出した。 どたっ、何かが倒れる大きな音が玄関の方から聞こえてきて。痛っ!龍成さんの悲鳴が聞こえてきた。 「りゅうパパ、大丈夫?」 「りゅうさん!」 一太と奏音くんが龍成さんのところにすっ飛んで行った。 「パパ、ママ、ままたんたいへん!」 「段差に躓いて転んだんだろう。そのくらいでは死なねぇぞ。未知は秦さんとここにいろ」 彼と橘さんが急いで様子を見に行った。 秦さんは機嫌良く鼻唄を口ずさんでいた。もしかして、サプライズでもあるのかな。 「なんでいるんだ?」 彼の驚いた声が聞こえてきた。

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