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番外編 千里さんが寄越してくれた協力な助っ人

お昼寝から目を覚ました子どもたちを紗智さんと那和さんが連れてきてくれた。 「嘘だろう。たいくんとここちゃんが歩いてるよ。信じられない」 感激のあまり泣き出した。 「ひまちゃん初めてまして。じぃじだよ。いゃ~~可愛いな。あ、そうだ抱っこする前にちゃんと手を洗わないとな。あと、消毒もしないと駄目だな。ひまちゃん待っててね」 手の甲で涙を拭くと、洗面所に急いで向かった。 「マー、弓削さんの声しなかった?気のせい?」 「ううん、気のせいじゃないよ。弓削さん帰ってきてくれたの」 「厳密に言うと医者付き監視付きいう条件で2週間だけ特別に外出が認められたんだ。何かあれば上澤先生がすぐ来てくれることになってるし。未知のそばにいる間もし症状が良くなれば、その分退院が早まるかも。ひまちゃん、はじめましてじぃじだよ」 両手を差し出すと、紗智さんが秦さんの腕のなかにそっと陽葵を抱っこさせた。 「顔は小さい頃のハルちゃんにそっくりだ。くりくりしたお目目はここちゃんにそっくりだ」 目尻が下がり顔が緩みっぱなしになった。 「尊に接見しに行ったら娘を頼むって、俺と青空に頭を下げて頼んできたんだ。これで罪滅ぼしになるとは思わない。一生かけて罪を償っていく。青空も尊と同じ気持ちだ。だから、俄然やる気になったんだろう。頭を下げ額を畳に擦りつけながら福島に行かせてくれと千里に頼み込んだ」 秦さんが紗智さんの腕のなかに陽葵をそっと返した。

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