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番外編 新婚さんの悩み

「昇龍会は西岡という膿を出すのに成功した。千里は西岡の手下で組に残った男たちを一切咎めなかった。千里の懐の深さに、舎弟全員が改めて千里への変わらぬ忠誠を誓った。菱沼組も未知がいるからこそひとつに纏まってるといっても過言じゃない」 「姐さんは俺らが守る。みんなそれをしっかり胸に刻み付けている。だから、楮山は姐さんに狙いを付けたんだろう」 陽葵を抱っこしあやす弓削さん。 4人目ともなるとさすがに手慣れている。 なんとも微笑ましい光景を眺めながら、彼と鞠家さんが気難しい表情を浮かべ何やら話し込んでいた。 伊澤さんは渋々ながらも秦さんと青空さんをしばらくの間、居候させることに合意した。 青空さんは根岸さんと伊澤さんに色々と聞きたいことがあるみたいだった。 「仮出所したあとの生活や、再犯率、その他諸々聞きたいらしい」 「お互い新婚だ。そっち系の話しがメインだろう。オモチャを使わなくても気持ち良くさせる方法はあるか、ジェルを使わなくてもすんなり挿入出来るコツはあるかって真面目な顔で聞かれた時は、さすがに返答に困ったがな。てか、なんで俺が照れているんだ」 鞠家さんの頬が真っ赤になった。 「抱く側と抱かれる側では勝手が全く違う。戸惑うのも当たり前だ」 熱い視線を背に感じ、どきっとして後ろを振り返ると、はじけるような笑顔で手を振られた。 心臓がドキドキして、そんな自分が恥ずかしくて耳まで真っ赤にしてうつ向くと「未知は最高に可愛いな。俺の自慢の女房だ」にたっと会心の笑みを浮かべた。

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