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番外編 ゆけさん、あそぼ

「保湿剤とおむつかぶれの塗り薬を頼む。たいくんとここちゃんを連れてくる」 座布団の上にそっと寝かせてくれた。 「オヤジ」 風呂場に戻ろうとした彼を弓削さんが呼び止めた。その直後、 「ゆげさん、あそぼー」 「ゆけさん」 真っ裸の一太と奏音くんが居間に飛び込んできた。 「奏音、ゆけさんじゃなくて、ゆげさんな。てか、さっきも言っただろう。弓削はこれから約束があるって」 「かなたくん、きいてた?」 「ううん」 奏音くんが首を横に振った。 「それに明日学校だろう。早く寝ないと起きれないだろう」 「だいじょうぶだよ。はやおきのたいくんとここちゃんにいっつもろくじにおこされているもん」 「そうだった」 がっくりと肩を落とす彼。ふたりとも弓削さんと遊ぶ気満々だ。目がキラキラと輝いている。 弓削さんは家と組事務所を何度も行ったり来たりして、一太と奏音くんといっぱい遊んでくれた。 「こ~~んな大きなハートのクッションがあってね、おもしろい形をした変なオモチャがあったんだ。それを見たママのお顔がまっかになっていたんだよ」 両手をめいっぱい広げて見せた。 「それは、あれだな……」 兄想いの龍成さんからの退院祝いだとは口が裂けても言えない弓削さん。 「大人になったら分かる」 笑って誤魔化した。

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