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番外編 さっきのは見なかったことにする

「芫も、義足の男も、テウもみんなイカれている。何をしでかすか分からない。狙撃されても俺が盾になります。姐さんとひまちゃんに指一本触れさせないので安心してください」 弓削さんに守られながら窓からなるべく離れた場所に移動した。 ウーさんと信孝さんが遥香とナオさん親子の盾になってくれた。 「未知、大丈夫か?」 彼がすぐ駆け付けてくれた。 弓削さんが慌てて腕を解いてくれた。 「子どもたちは?大丈夫?」 「みんな爆睡中だ。橘と柚原と鞠家がいるから大丈夫だ。サツには連絡した。もうじき到着するはずだ。しかしまぁ、よく気が付いたな。未知、お手柄だ」 頭を撫でてくれた。 「さっきのことは見なかったことにする。未知と陽葵を守ってくれてありがとうな」 「これが俺の仕事ですから。あ、そうだ」 弓削さんがなにかを思い出したみたいだった。 「オヤジ、もし芫がいたら、用心してください。ヤツは殺傷能力の高いレーザーガンを所持しています」 「また物騒なモノを」 「800メートル先から対象を狙える。無音で光線が出ないから、狙われたら一貫の終わりだ。皮膚は一瞬で炭化し、目は間違いなく失明する。オヤジ、テウは黒竜の………」 弓削さんが言い終わらないうちパンパンと銃声がけたたましく鳴り響いた。

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