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番外編 芫さんとテウさんの接点
「オヤジ諦めろ。姐さんはみんなに愛されているんだ。千ちゃんファンクラブに続いて、そのうち姐さんのファンクラブが出来るかもしれない」
「は?冗談だろう」
信孝さんのまさかの一言に彼の表情がこわばった。
「有り得ないとは限らない。姐さんラブの地竜と弓削がいる限り」
ウーさんが俺もと言わんばかりに、すっと右手を挙げた。
「そうだった。ウーや大きい子どもたちもみんなマーラブだもんな。親父も可愛いげのない息子より嫁が可愛くて仕方がないみたいだし」
彼が困ったように苦笑いを浮かべた。
「それに裕貴も、龍成や遼成や、千里や笹原、秦さん、渡会さん夫婦、惣一郎さん夫婦、みんな、みんな、姐さんラブだ。上総さんと揃いも揃って同じことを言ってる」
「オヤジ、過保護な親の存在を忘れてないか?」
「忘れる訳ないだろう。俺にとってふたりが一番おっかねぇ。なぁ信孝、弓削、さっきより騒々しくないか?」
「言われてみれば確かに」
「様子を見てきます」
弓削さんが窓から外の様子を伺うウーさんの側に移動した。
「こんな真夜中にひとの迷惑も考えず大声を張り上げ騒いでいる男がいる。日本語じゃない」
ウーさんが険しい表情で外を見つめた。
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