1796 / 4011
番外編 こなつ……さん?
規制線が敷かれ車の出入りも自由にままならなくて。秦さんと根岸さんと伊澤さんたちに守られ、車を待機させてある一本隣の通りまでまで徒歩で向かうことになった一太と奏音くん。ランドセルを背負い、元気いっぱい出掛けていった。
本当は学校を休ませればいいんだけど、かといって親の都合で休ませる訳にもいかず、悩みに悩んだ末、通常通り登校させることにした。
一階のエレベーターの前で、彼と弓削さんとウーさんで子どもたちを見送り、自宅に戻ろうとした。でも嫌な予感がして、子どもたちの後を追い掛けようとしたら、
「未知どうした?」
彼に腕を掴まれた。
「遥琉さん、嫌な予感がするの。歩いて2、3分だし、秦さんたちが一緒だから大丈夫だとは思うけど……」
ウーさんが何かに気付いて慌てて外に飛び出した。
「ウーどうした?」
「アブナイヒト」
「アブナイヒト?お巡りと野次馬ばっかだぞ」
ウーさんが指をさした方向を見ると、縁石に座り、交通整理をする警察官を遠巻きに見つめるジャージ姿の金髪の女性が目に入った。マスクをして、お腹の辺りをしきりに気にしていた。
ともだちにシェアしよう!

