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番外編 シェドの本性
「テウから熱心な宗教的教育を受けたのでしょう。カルト集団が掲げる信念のみが正しい。シェドには絶対服従。洗脳やマインドコントロールされたのでしょう。私たちが出来るのはここまでです。あとは警察に任せましょう」
家に向かおうとしたら扉が開いて橘さんが姿を見せた。
「橘、誤解するなよ。お前のことを言った訳じゃない」
「さぁ、どうだか」
獅子身中の虫と言われたのが癪に触ったみたいだった。
「獅子身中の虫とは、獅子の体内に寄生した虫がついには獅子を死に至らせるという意味です。 恩を仇で返すことや組織内にいながらも害を与える人間のことを指す言葉です」
「日本語難しいですね」
「そうですね」
「橘さんは僕の親代わりです。柚原さんも」
「おおかた、揺さぶりをかけ、疑心暗鬼にさせて、仲違いさせる魂胆でしょうが、私と未知さんを繋ぐ親子の糸はそう簡単に切れるものじゃありません。安く見られたものです。遥琉、よく耐えましたね。偉いですよ」
「サツが目の前にいるのに騒ぎを起こしたら相手の思う壺だ。怒りを通り越して哀しくなった。連中は未知のことなに一つ分かってない。怒るだけ無駄だ。未知、家に帰ろう。子どもたちが待ってる」
「はい」頷くと彼がそっと手を握ってくれた。鳥飼さんたちに負けないくらい俺たちもラブラブだと言わんばかりに恋人繋ぎしてくれた。
「遥琉さんの手、大きくて温かいからこうしてるとすごく安心する」
「そうか」
「うん」
にっこりと微笑むと、彼が嬉しそうに笑ってくれた。
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