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番外編 僕に出来ること

「額田さんの護衛をしていた警察官だよ。福光家で半年くらい家政婦をしていた雪枝さんの甥だって額田さんが言ってた。名前は確か……くさ……か……はじめだったような。久しいに坂道の坂で久坂って書くんだ。卯月さん、もしかして、いなくなった警察官って久坂さんなの?」 「あぁ、そうだ。甲崎が東京にいる久坂の妹に会って確認してきたから間違いない。雪枝は亡くなった三女の母親だった。雪枝は派遣先で問題ばかり起こし今は家政婦を辞めている」 「問題って?」 「金目のものをネコババして金に変えたり、依頼主の子どもを叩いて大怪我をさせたり、福光家も相当被害を受けたみたいだ。久坂は叔母を手引きしたんじゃないか、身内から疑われて、本庁にいれなくなり、福島に来たみたいだ」 「そんな大変なことになっていたなんて全然知らなかった。額田さんも何も言わなかったから」 「ナオに余計な心配を掛けたくなかったんだよ。飯時に邪魔したな。未知、帰るぞ」 「え?もう帰るの?」 彼に名前を呼ばれ椅子から慌てて立ち上がった。そのとき急にめまいがしてふらふらと体がふらついた。 「姐さん危ない」 鞠家さんがそっと体を支えてくれた。 「ありがとう」 「礼はいいです」 ごほん、わざとらしい咳払いの声が聞こえてきて、鞠家さんから慌てて離れた。 「え?どうしたの?」 紗智さん那和さんと話すのに夢中で気付いてなかったみたいだった。ひとまず良かった。

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