1814 / 4011

番外編 橘さんとチカちゃん

柚原さんと橘さんと入れ違いに根岸さんと鞠家さんが居間に入ってきた。 「オヤジ折り入って話しがある」 「なんだ改まって」 「アタシ、部外者だからナオのところに行くね」 立ち上がろうとしたチカちゃんを根岸さんが止めた。 「楮山は柚原を覇気を失くした能なしの昼行灯と揶揄し舎弟の前でバかにしている。鳥飼が自分の保身のために組を裏切り、舎弟を見捨てて敵に寝返った。九鬼総業が解散に追い込まれたのももとはといえば鳥飼が敵の軍門に下ったのが悪いと、それが事実のように言いふらしている」 「いっぺん楮山にぎゃふんといわせてやらねぇと付け上がる一方だ」 「じゃあ、どうするんだ?」 「陽葵の一ヶ月検診の日、俺と伊澤と茨木と秦。この四人が家を留守にするば、楮山は警備がいつもより手薄だと思い必ず行動に移す。度会と紫にも、子どもたちを連れて出掛けてもらうんだよ。連中は青空がここにいることは知っていても、弓削がいることまでは知らない」 「未知と陽葵を危険な目に遭わせるのか?ふざけるな!」 目尻を険しくつり上げて怒り出した。

ともだちにシェアしよう!