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番外編 あやみさんと奈梛ちゃん

「ハルくんには言うなって止められたんだけどね、千夏は睦が邪魔だから、嫌いだから置いていった訳じゃない。それをどうしても伝えたかったの。結局言いそびれちゃったけど……」 「千夏さん、テウに騙されたんだ」 「元妻たちをぎゃふんと言わせてやろう。そんな感じうまい具合に言いくるめられたんでしょう」 チカちゃんのお腹がぐぐぐ~~と派手に鳴った。 「あらやぁだ、恥ずかしー。朝ごはん食べたはずなのに、おにぎり見たらお腹空いちゃったみたい」 お腹に手をあてて照れ笑いするチカちゃん。 「こんなにたくさん食べきれないから一つどうぞ」 「いいの?ありがとう未知」 おにぎりをそっと手渡すとチカちゃんの顔が喜びにキラキラと輝いた。 「睦にあとで伝えて。ムーは睦、チィェンシァは千夏と書くみたいよ。離れ離れになっても千夏は睦のことを片時も忘れずにいると思うの。生きてさえいればいつかきっと会える日が来る。だから、母親のことを嫌いにならないでいてって。もうやだーなんで泣いてるの。アタシまで涙が出るじゃない」 チカちゃんに言われるまで泣いていることに気付かなかった。

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