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番外編 とりさんの赤ちゃん

「ねぇママ。とりさん、フーさんのあかちゃんうんだの?」 「そうだといいんだけどね。ごめんねハルちゃん。奈梛ちゃんは鳥さんの知り合いの人の赤ちゃんなんだ。ママが見つかるまで預かることにしたんだよ」 「へぇ~~そうなんだ。ハルちゃんわかったよ」 「何が分かったの?」 「なやちゃんのママもななちゃんみたく、おじちゃんにしつこくされておうちいやになった。あたりでしょう」 「う~~ん。どうかな」 返答に困ってしまった。 「ハルちゃん、奈梛ちゃんがここにいる間、優しくしてあげてくださいね。お世話する赤ちゃんが増えて大変ですが……」 「だいじょうぶ。だってハルちゃんおねえちゃんだもん。ままたん、まかせて」 なんとも頼もしい一言に橘さんの表情がふっと緩んだ。 鳥飼さんとフーさんが仕事をしている間、みんなで奈梛ちゃんの面倒をみることになった。 たいくんとここちゃんと同じで、奈梛ちゃんも泣くことでしか自分の言いたいことを表現することが出来ない。うまく伝わらずがぶっと噛むかもしれない。帰宅した一太と奏音くんにそう説明した橘さん。 なくのはあかちゃんのおしごとでしょう。一太も奏音くんも奈梛ちゃんを快く受け入れてくれた。

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