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番外編亜優さん、本領発揮
「はい、どうぞ」
彼の前にマグカップを置いた。
「お、ありがとうな」
「熱いから気を付けてね」
彼と亜優さんと橘さんも加わり5人がかりで探しはじめること2時間あまり。サブ垢の存在に気付いた亜優さんが複数のSNSにも捜索の範囲を広げ、それらしきアカウントを見付けた。
飲み物を運ぶくらいしか僕には出来ないから、邪魔しないように遠くから事の成り行きを紗智さんたちと静かに見守った。子どもたちはお昼寝中。そろそろ起きる時間だ。
「鞠家、柚原、少し休め」
お祖父ちゃんが様子を見にきてくれた。
彼から一通り説明を受けると、組事務所で秦さんと蜂谷さんと青空さんが待機しているからとすぐ戻っていった。
「鍵垢が一番面倒くさいな」
「そうですね」
彼と橘さんがパソコンの画面をじっと見つめながらコーヒーをゆっくり口に運んだ。
「亜優も休め」
「休息一下眼睛 (訳:目を一度休めろ)」
手を止めようとしない亜優さんに、鞠家さんと柚原さんが痺れを切らし声を掛けた。
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