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番外編 亜優さんお手柄

鈴木さんはシェドと夢華の行動をまるで監視しているようだった。 「何のために?」 「カルト集団に大切な家族を奪われて、教祖のシェドに復讐する機会を虎視眈々と狙っていたとか。意外と当たってるかも知れませんよ」 「なるほどな」 「鈴木さん、わざと野暮ったいメガネを掛けて地味な格好はしていましたが、メガネの下の素顔は夢華より遥かに美人だと思いますよ。それこそシェド好みの」 「それをわざわざ隠しているってことは、鈴木に瓜二つの妹か、もしくは双子の妹がいてシェドの餌食になったというこうことか」 「おそらくそうでしょうね。さすがは縣一家の元姐さんです。柚さんの観察眼は全く衰えていませんね」 橘さんがスマホで【シェド被害者】と検索をかけると、カルト集団被害者の会、カルト集団から家族を救う会、など複数ヒットした。 「あれ」 「どうした?」 「救う会の代表、大学の先輩だった方です」 「そうか」 「彼にそれとなく聞いてみます」 「頼むな」 ふたりの足元にそぉーと近付く可愛らしい小さな足音。 ままたん、めっけ。太惺と心望が橘さんの足にむぎゅーと抱き付いた。 これには橘さんも驚いたみたいで、 「おめめが覚めたんですね。おいで」 ニコニコと笑いながら心望を抱き上げると膝の上に乗せた。ふたりいっぺんは大変だからと、太惺は彼が抱き上げ膝の上に乗せてくれた。

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