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番外編 パパ、いじけないの

「なんでブスくれるんだよ。パパも泣くぞ」 下唇をこれでもかと伸ばし目をうるうるさせる太惺。ままたん、抱っこして。パパには目もくれず橘さんに向かって小さなお手手を懸命に伸ばした。 「ままたんは相変わらずモテモテだな。たいくん、ぱぱたんっておいで」 込み上げてくる笑いを必死で堪えながら、柚原さんが太惺の脇の下に手を差し入れ、そのまま抱き上げてくれた。 それからしばらくして橘さんたちが台所に立ち夕ごはんの準備をはじめた。一太と遥香と奏音くんも張り切ってお手伝いをしている。三人仲良く並んで座り、交代でボウルに入った挽き肉と玉ねぎを手で捏ねていた。 「今日はお兄ちゃんたち特製のハンバーグみたいだよ。美味しそうだね」 陽葵に笑顔で話し掛けるとにこっと微笑んでくれた。 「パパ、たいくんとここちゃんみて」 「パパ」 「どーせパパになんて来ないよ」 不機嫌そうな声が返ってきた。 「なんでパパ、いじけてるの?」 「それはね……」 さっきのことをふたりに話すと、 「たいくんとここちゃんのままたんラブは、いまにはじまったことじゃないでしょう。いじけないの」 遥香に大人顔負けのことを言われぐぅの音も出なかったみたいだった。 焼きもちを妬きたくなるくらい橘さんの先輩がなかなかのイケメンみたいで、柚原さんはあれからずっとスマホの画面とにらめっこしている。

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