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番外編 とんだとばっちりを受けたのは……
「そもそも柚原さんが変なことを聞くからでしょう」
「はぁ俺?」
とんだとばっちりを受けたのは柚原さんだった。口では敵わないとでも思ったのか、
「ごめん。俺が悪かった」
先手必勝といわんばかりにすぐに謝った。
「でもなぜ聞こうと思ったんですか?」
「亜優がさんぼ……」
「三本菅です」
「そうだった三本菅だった。彼と鈴木が似てる。兄妹じゃないかって言い出したんだ。三本菅がなんかの罰ゲームで女装させられている写真を亜優が偶然見付けた。俺と鞠家で確認したが、亜優の言う通り鈴木にそっくりだった」
柚原さんの言葉を聞いて橘さんが何かを思い出したみたいだった。
「近年、多様性への配慮を目的に、性差を感じさせないジェンダーレス制服というものを採用する高校が増えているそうです。女性でもスラックスを穿ける、男性でもスカートを穿くことが出来る時代です。昔だったら考えられなかった事です。私のクラスにも短髪で男の子みたいな女の子がいました。先輩はもしかしたら元女性なのかも。今は男性ですが」
「千里やチカと一緒か」
「えぇ、そうです」
「よし、鞠家、亜優、三本菅と鈴木の接点を調べるぞ」
「その前に柚原さん、油が跳ねて火傷でもしたら大変ですから、たいくんとここちゃんが台所に来ないように見ててもらってもいいですか?」
「お安いご用だ。任せておけ」
まさにアメとムチだな。おっかねぇ。
彼がぶつぶつと一人言を呟いていた。
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