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番外編 生まれて初めての雷

夜も更ける頃、バリバリ、ガラガラ、ドッカーンという雷鳴が頭上で轟いていた。 ビリビリと空気を裂き、この世の終わりを告げる火柱みたいにまわりに直立する。 こんなひどい雷を見たのは久し振りかも知れない。 子どもたちは陽葵を除いてみんな熟睡中だ。 みんなか起きている時間だったら遥香と太惺と心望は間違いなく怖がって半べそをかいていた。 「なんせ生まれて初めて経験する雷だからな、そりゃあビックリするわな」 彼がむくっと体を起こした。 「ごめんなさい。起こしちゃった?」 「そんなことないよ。未知、少しは横になれ。陽葵は俺がみる」 「遥琉さんだって疲れているのに悪いよ」 「こんなの疲れたうちに入らないよ」 彼が、お手手をぎゅっと握り、目を丸くする陽葵をそっと抱っこしてくれた。 バリバリ~~バァーン。 雷がすぐ近くに落ちたみたいで、明かりが一瞬消えた。 「危ないからブレーカーを落とすか。陽葵、ちょっとの間ママと待ってろな」 彼が陽葵を隣に寝せ起き上がろうとしたら、部屋の明かりが消え真っ暗になった。 「ブレーカーを落としたので、懐中電灯の明かりでしばらく我慢してください」 橘さんが静かに寝室に入ってきた。 「悪いな」 「いいえ。遥琉、ひまちゃんがどうしても寝ないときは私と柚原さんで面倒をみますから連れてきてください。たまには、未知さんを腕枕してあげたらどうですか?ただし、お触りは厳禁ですよ」 「言われなくても分かってる」 図星を突かれたことが一目で分かる表情を浮かべていた。

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