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番外編 キス魔

ー血で血を争う内部抗争がはじまるのよ。なんだかすっごく楽しくなってきたわー。もう、ぞくぞくする。遥琉もそうでしょう?ー 「あのな千里……」 風雲急を告げる状況にも関わらず千里さんは相変わらずテンションが高い。 朝を迎えるまで彼のスマホは鳴りっぱなしだった。 地竜さんとはほんの数分だけ話しをすることが出来た。 未知愛してる。未知に会いたい。子どもたちに会いたい。そればかりを何度も何度も繰り返していた地竜さん。 ー悪いが未知の方から電話を切ってくれ。その方が諦めがつくー 「地竜さん、日本で彼や子どもたちと待ってるからね。絶対に死んじゃだめだよ」 ーありがとう未知。きみにそう言ってもらえる俺は果報者だー 電話の向こう側で地竜さんは声を押し殺し泣いていた。

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