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番外編 遼成さんなりの愛情表現
「あの遼成が?ヘェ~~意外」
「那和、失礼だよ」
「ごめん紗智。僕もそう思った」
ナオさんが照れ笑いしながら頭をかいた。
「だって遼成さん、光希さんしか眼中にないでしょう。優しいのも光希さん限定。僕や信孝さんにはいつも塩対応だよ」
「それが遼成なりの愛情表現だ。遼成こそ究極のツンデレだって千里が話していたよ。ヤツも遥琉同様家族想いの男だ。それに子ども好きだ。今は奏音ひとりだが、あっという間に子どもが二人、三人増えているかも知れない。遼成は未知が柚の二の舞にならないか、それが心配で反対したんだ。カタギからヤクザの女房になるんだ。それまでの人生が180度変わる。それだけじゃない。危ない目にだってあうだろうし、命だって狙われる。遥琉の女癖の悪さに泣かされるかも知れない。俺だって遼成だって心配事は尽きなかった」
「でもバーバはマー一途だった。どんなに綺麗な女の人を見ても眉ひとつ動かさない。マーだけいつも見てる」
「うん、確かにバーバはマーしか見てない。相手の女性がどんなに際どい格好してても、スカートの丈が短くてお尻が見えそうになってても、脚が細くて長くても全然見ない。バーバ昔は女の人が好きだったって聞いても、いまだに信じられないよ」
「だって卯月さん、世界一未知が可愛い。未知が俺の一番。未知の可愛さに勝るものはなし。信孝さんや鞠家さんたちにそればっか言ってるよ。未知さんに心底惚れているんだな、大好きなんだなって彼言ってたもの」
ナオさんがクスクスと笑いだした。
恥ずかしくて身の置き場に困ってしまった。
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