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番外編 目は心の鏡

「ねぇマー、弓削って本当にマーのことが大好きなんだね」 「どうして?」 「見てて分かるもん。一から十まで大事なのは姐さんだ。俺の命は姐さんに預けた。ことあることに姐さんで、自分のことは二の次なんだもの。弓削ね、朝四時前には起きてヤスとハチを叩き起こし、一緒にビルの周辺を一通り見回ってから、一階から順に全部見て歩いてるみたい。すぐまた病院に戻らなきゃならないから、マーのことが心配みたいだよ。もし万が一自分がいなくなったことを考えて、自分がいるうちにふたりに弾よけやほかの仕事を教えているみたいだよ」 「万が一なんてそんなある訳ない。弓削さんも彼や地竜さんと同じで不死身だもの。でも、みんな無理し過ぎだよ。身体を休める暇がないくらい次から次にいろんなことが続いているから、みんな身体を壊さないかそれだけが心配なんだ。那和さんも休めるときに休んでね」 「うん、分かった。着替えてくるね」 寝起きのシャワーを浴びていつものようにバスローブ姿で濡れた髪をタオルで拭きながら部屋に戻っていった。 ふわりとピンク色の何かが足元に落ちた。けど、那和さんは全く気付いていない。 「おぃ那和」 柚原さんがすぐに気付いてそれを拾ったけど、なぜか赤面していた。 「ノーパンで歩くな。暑いのは分かるが頼むから下着くらい穿いてくれ」 目の置き場に困りながら那和さんに渡した。

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