1875 / 3351

番外編 あまりにも酷い仕打ち

「未知は見ない方がいい」 「なんで?」 「ネットに流出した遺体の写真があまりにもむごい写真だからだ」 「シェドに命令されたとはいえ夢華さんは柚さんを酷い目に遭わせたんだよ。それだけじゃない。小夏さんや、千夏さんや、何の罪もない女性たちを騙し、尊厳さえも奪ったんだよ。夢華さんにはネットでしか会ったことはないけど、川合さんには会ったことがある。だからお願い。見せて欲しい」 「たく、一度言い出したら聞かないからな……分かったよ。その代わり気持ち悪くなったら見るのをすぐに止めるんだぞ。吐きたければ、ここに吐け。遠慮することないぞ」 彼がタオルを両手で広げた。 「ありがとう」 そんなに柔じゃないよ。 もぅ、心配症なんだから。 「前に紫竜が裏切り者には容赦ない。そんな話しをしてくれたでしょう?あと吸血鬼《シーシエグイ》の話しも」 「あぁ」 スマホの画面を見ると、全身真っ黒で、炭化したバラバラの遺体がモザイクなしで写し出されていた。内蔵の一部が露出していたけど、足の部分は綺麗なままだった。 彼の言う通りあまりにも惨たらしい遺体だった。 一度は目を背けたけど、川合さんや赤ちゃんの無念を思うと、ちゃんと向き合わなきゃ、そう思い写真を覗き込んだ。

ともだちにシェアしよう!