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番外編 石山の組長襲名式
彼に手招きされ弓削さんがパソコンの前に移動してきた。何度か巻き戻しし、しばらくの間じっと見つめていた。
「姐さんの言う通りこのふたり、芫にとても良く似てる。でも、なんか違うような……断言出来なくてすみません」
「いちいち謝るな。シェドは敵が多い。命だって常に狙われているんだ。どっちかが本物で、どっちかが影武者だろう」
「末席に控える男がシェドと見せかけておいて、実はこっちが本物だとか」
「十分あり得る。夢華を殺す時に抵抗され目に怪我をしたんじゃないか?もしくは目に火傷をしたか」
「だから髪で顔の半分を隠しているのか、なるほどな」
亜優さんが鞠家さんに身振り手振りなにかを伝えようとしていた。
「亜優、なんだって?」
「眼帯男、首と手にも怪我しているって」
「首と手に怪我?弓削、分かるか?」
「ここからじゃあそこまで詳しくは……」
彼と弓削さんが目を皿のようにして男をの手を見た。
「包帯でもしていればすぐに分かるんだが。亜優は目がいい。亜優がそう言うのなら間違いない。亜優お手柄だぞ。鞠家、悪いが亜優に詳しいことを聞いてくれ」
「分かった」
鞠家さんが彼が言ったことを通訳すると、亜優さんがはにかむような笑顔を見せた。バーバに間違いない。亜優お手柄だぞって褒めてもらえたのが相当嬉しかったみたい。
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