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番外編 いつみさんの突然の死

「ミツの様子はどうだ?変な動きをしてないか?」 彼が蜂谷さんに電話を掛けた。 ーエントランスにある監視カメラの位置と出入口をそれとなく確認していた。それとビルに出入りするひとをじっくりと観察していた。あ、でもまだ隠しカメラの場所には気付いていないー 「そうだろう。一太と亜優と奏音はモノを隠す天才だ。そう簡単に見付かってたまるか」 ーそういえばオヤジ、火傷の痕と聞いて思い出したことがあるー 「おぅ、なんだ?」 ーミツも手に軽い火傷を負っていた。本人に聞いたら、消化器で火を消そうとしたが、火の勢いが良くて火傷を負ったと説明していた。甲崎に聞いたら火災現場から消化器は一つも見付かっていない。それとスプリンクラーが作動しなかったみたいだー 「そうか、また何かあったら教えてくれ。ハチ、用心に越したことはない。くれぐれも気を付けろ。あまり深追いするな」 ー分かったー 電話を切ると、すぐまた電話が掛かってきた。 「ねぇ遥琉さん、電話に出ないの?」 目を丸くして画面を凝視する彼におそるおそる声を掛けた。 「未知、大変だ」 彼が静かに口を開いた。 「……いつみが……死んだ」 「え⁉」 にわかには信じられなくて。 「ごめんなさい遥琉さん。もう一回言ってもらっていい?」 「渡辺からメールが来た。留置所に収容されていたいつみが体調不良を訴えたあと突然倒れそのまま亡くなった」 「嘘……」 茫然自失となった。

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