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番外編 天使が来た!
「かわいいね」
「おこさないようにしてあげよう」
「うん」
寝てしまった奈梛ちゃんを彼が抱っこして連れてきたのはそれから1時間後のことだった。
明日は土曜日。寝れなくて布団の上でごろごろしていた一太と奏音くんはもうひとり天使が来た!と大喜び。彼が遥香の隣に寝かせると布団を掛けてあげたりとふたりしてお兄ちゃんぶりを発揮してくれた。
「ねぇ遥琉さん、信孝さんとナオさんのところに連れていくってさっき……」
「いや、それがな」
そこで言葉を止めると、彼の顔が近付いてきて。
「夫婦水入らずの邪魔をしたら悪いだろう」
耳元で小声で囁かれた。
奈梛ちゃんが泊りに来るとは分かっていても、ナオさんのあまりの可愛さに歯止めがきかなかったみたいで、俺も早く未知とイチャイチャしたい~~彼にごねられてしまった。
「部屋にいないから心配しましたがここにいたんですね」
橘さんが様子を見に来てくれた。
「なんでこうも皆さん狭いところがすきなんですかね」
太惺と心望は大好きなお兄ちゃんにしがみついてねんねしていた。狭くても窮屈でも一太は文句ひとつ言わず、かけ直してもすぐに布団を蹴飛ばす弟と妹に何度も毛布を掛けてあげていた。
ハイエナら幹部がビルに入ったのを確認した。これから強制捜査に入る。日付が変わると同時に国井さんから連絡が入った。
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