1898 / 4013
番外編 地竜さんからの熱烈なラブレター
「玲士が亜優のストーカーなら地竜は未知のストーカーだな。未知が好きで好きで仕方がないのがよく伝わってくる」
千里さんに間違ってメールを送信したみたい。すぐに気付いて慌てて僕に送信しようとしたけどまさかの充電切れ。
千里さんが気を利かせてくれて僕に転送してくれた。
なんで日本語じゃなくて全文中国語で送信したのかな。何が書かれてあるのかちんぷんかんぷん。まったく分からない。
「鞠家曰く熱烈なラブレターみたいだ。明日、通訳してもらったらいい」
「うん、分かった。もしかして地竜さん、千里さんたちと一緒なの?」
「未知に会いたくてアメリカから一時帰国したみたいだ。詳しいことまでは分からないが成田空港で足止めを食らっているらしい」
「じゃあ、地竜さん無事なんだよね?」
「あぁ。ヤツは不死身だ。死ぬときは未知の腕に抱き締められて死ぬんだ、そう言ってるくらいだからな」
陽葵がまたすやすやと眠りはじめた。
「ねぇ遥琉さん」
「ん?どうした?」
「鈴木さんは?奈梛ちゃんのご両親は?無事なの?」
「ビルのなかをくまなく探しているがまだ見付かっていない」
「そうなんだ」
胸の前でスマホをぎゅっと両手で抱き締めた。
ともだちにシェアしよう!

