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番外編 思いもしない彼の告白

窓の外には深い朝霧が立ちこめていて、霧は狭い通りの向こう側のビルを覆い隠していた。街は静かな眠りについているようだった。 「どうりで寒い訳だ。未知、寒くないか?いや、寒いよな。よし、あっためてやる。待ってろ」 寝ている子供たちを起こさないように彼がそぉーと背中側に移動してきた。そして嬉しそうに破顔すると、両腕で包み込むようにそっと抱き締めてくれた。 「ぬくいか?」 「うん、温かい」 「そうか、良かった。朝から幸せ過ぎて涙が出そうだ」 「もぅ、遥琉さんたら。大袈裟なんだから」 「だって未知が好きなんだ。しょうがねぇだろう。朝起きて、真っ先に飛び込んでくるのは愛する妻と子供たちの幸せそうな寝顔だ。眺めているうち俺まで幸せな気持ちになれるんだ。寝相の悪い子供たちに布団をかけ直してやるのが日課になった。未知に気付かれないようにでなや頬っぺにおはようのキスをするのも日課になった」 「え⁉」 予想もしていなかったまさかの一言に驚いた。今の今までまったく気付かなかった。彼に言われなかったらおそらく一生気付かないままだったかも知れない。 「朝からハラハラドキドキするのも悪くない」 彼が嬉しそうに肩に顔をスリスリと擦り付けてきた。うなじに鼻息がかかり、くすぐったくて身を捩ると、 「だ~~め。逃げるの厳禁」 腰に逞しい腕が回ってきてぐいっと引き戻された。

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