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番外編 不安が的中

K駅構内で異臭騒ぎか。夕方の情報番組が第一報を伝えていた。 「柚原さん大変」 陽葵を抱っこして慌てて台所に向かうと、那和さんと紗智さんと三人で仲良く台所に立ち手際よく夕ごはんの準備をしていた。 「姐さんどうかしましたか?」 「K駅構内で異臭騒ぎかって、さっきニュースで」 「そうですか」 柚原さんの表情が一瞬険しくなった。 「高行さん大丈夫かな」 ちょうど天ぷらを揚げていた紗智さん。コンロの火を止めると菜箸をぎゅっと握り締めた。 「連絡がないということは無事だってことだ。不死身の地竜が付いている。大丈夫だ」 「そうだよ、地竜が一緒だもの。鬼に金棒だよ」 柚原さんと那和さんが紗智さんを励ました。 「うん、そうだよね。地竜が一緒ならきっと大丈夫だよね」 笑顔をようやく見せてくれた。 「天ぷらを早く揚げないと。たいくん、ここちゃん遊んでってさっきから言ってるから。ごめんね、一太くん奏音くんハルちゃん。弓削さんもウーさんもごめんなさい」 「子どもたちのことは気にするな。みんなしてお利口さんにして待っているから」 弓削さんが背中に太惺をおんぶし、心望を抱っこしてくれていた。柚原さんになかなかさまになっているな。この際だから弾よけから子守りに転職したらどうだって冷やかされて苦笑いを浮かべていた。 橘さんがいないからみんなてんてこ舞いだ。

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