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番外編 ドキドキの連続
すっとドアが開いたような気がして、顔を上げると目の前に地竜さんがいたから腰を抜かすくらい驚いた。
「陽葵、ごめんな」
そっと静かに抱き上げると、遥香の隣に素早く移動させ、
「ハルちゃん、妹を頼んだぞ」
ふたりの髪をそっと撫でてくれた。
「地竜、なにしに来た」
「なにしにって邪魔をしに来たんだ。未知を一人占めにはさせない」
「は?」
ぱさりと白いものが枕元に落ちてきて。見るとそれはバスローブだった。
「ちょっと待って地竜さん!」
まさかだと思ったけど、そのまさかだった。地竜さんも何も身に付けていなかった。
「よっしゃ、前ハグゲット。陽葵ありがとうな」
嬉しそうに布団に潜り込んできた。
「おぃ、地竜」
彼が声を荒げた。
「見てみろ。未知がゆでたこみたくなっている。可哀想だと思わないのか?」
「全然。恥ずかしがり屋のところがまた可愛いんだ。俺の愛人《アイレン》は」
逞しい二の腕で包むようにむぎゅーと抱き締められた。
「地竜、くっつき過ぎだ」
彼も負けじと僕に抱きついてきた。ふたりの肌の温もりに、ドキドキが止まらなくなってしまった。
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